
「臨床心理士は仕事なくてキツイからやめとけ」って言われたんですけど…
それって本当ですか?仕事ないのはさすがにヤダなぁ…
う~ん…「仕事ない」の定義がいろいろだから一概に言えないかも。
ここでは、
・「臨床心理士は仕事ない」って言われてしまう理由
・どうすれば仕事のない臨床心理士になるのを避けられるか
を解説しますね。

「臨床心理士は仕事がない」と言われる3つの理由
実は臨床心理士の求人そのものはいつでも見つかります。
それでも「仕事がない」と言われるのは、こんな背景があるんです。

1.仕事はあるが条件が良くない
臨床心理士に「仕事がない」と言われてしまう理由の1つが、条件の良い仕事があまりないこと。
臨床心理士の仕事の多くは「非常勤」です。そのため、常勤に比べて待遇は悪く、
・ボーナスがない
・社会保険料は全て自己負担
・社会的信用も低い
といった現実に打ちのめされてしまいがち。
また、何よりも非常勤の臨床心理士の心を折るのは、給与の低さ。
仕事によっては最低賃金ぎりぎりしか貰えないことも。大学院まで通って専門性を高めたにも関わらず、この状態ではキツイ・・・。
そのため、「良い仕事がない!」と嘆く臨床心理士は少なくないのです。
2.研修やSVにお金がかかる
「仕事がある」と言えるには、きちんと生活を賄えるだけの収入があることが求められます。
しかし、臨床心理士には生活費だけでなく、そのスキルを高めるための研修費やSV(スーパーヴィジョン)の費用も必要です。
■研修費
臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会が認めた研修に一定数参加しなければ、臨床心理士資格を更新できません。この研修費は1回数千円から1万円程度かかり、なかなかの負担となります。
■SV(スーパーヴィジョン)
スーパーヴィジョンとは臨床心理士としてのスキル向上のために、ベテラン指導者(スーパーバイザー)から指導を受けること。こちらも1回数千円から1万円前後が必要となります。
■その他
もちろん、これ以外にも臨床心理士は自分の専門性を高めるために学会に参加したり、書籍を購入したりと、さまざまな出費がかさみます。そして、職場が経費として負担してくれることもありますが、多くの場合は自腹を切ることになるのです。
また、臨床心理士は大学院を修了しなければなりませんから、その分の学費を奨学金で賄っていた人もたくさんいます。その返済も必要です。
これらの出費がかさむため、臨床心理士が「仕事がない」と感じる割合は、他の職業の人よりも多いのかもしれません。
3.心理療法ができる職場が少ない
臨床心理士にとって、カウンセリングをはじめとする「心理療法」は専門性の大部分を占めます。
ところが、実際に「カウンセリングができる求人」を探そうと思うと、驚くほど少ないのです。
臨床心理士の求人で見られる仕事内容の多くは、心理検査・療育・デイケア・治験などなど・・・カウンセリングではないものばかり。
その結果、「(心理療法ができる)仕事がない!」という声があがることもあるのです。
「仕事がない!」そんな時に臨床心理士ができること
コツコツとスキルアップ
臨床心理士は専門職です。つまり、雇用する側は「専門家として、私たちがやってほしいことを望んだことを、ちゃんとやってくれるスキルのある人」を求めており、そのスキルにお金を支払っています。
そのため、大学院を出たばかりで、まだスキルがないと考えられる若手にはあまり良い仕事がないのは当然とも言えるのです。
まずは、多少待遇が悪くても、雇ってくれる職場を見つけ、コツコツとスキルアップを図りましょう。単に求められている仕事をこなすだけでなく、自分なりに目標を持つのがおすすめ。
・他の職種の人3人と仲良くなる
・所見を書くスピードを上げる
・抗精神病薬に関する知識を深める
など、臨床心理士として必要なスキルは幅広く、学ぼうと思えば、いくらでも学ぶべきことは見つかるはずです。
そして、その職場で得たスキルを持って、より良い条件の職場へと転職していけば、少しずつ安定した生活に近づくことができるでしょう。
インターネット環境を生かす
「心理療法/カウンセリングができる仕事がない」と嘆く方には、インターネットの活用がおすすめ。
今の時代は1人1台と言われるほど、スマートフォンが普及し、誰でも手軽にインターネットでつながれるようになりました。
そんな環境を生かした働き方も、臨床心理士の新たなフィールドとして期待が高まっています。
業務提携や起業など様々な形はありますが、オンラインカウンセリングを始めれば、心理療法の経験を積むことは可能です。
また、SNSをうまく使って発信していけば、「臨床心理士と一緒に働きたい」と考える企業から声がかかることもあります。これまでにない臨床心理士の新たな価値と仕事を見つけるチャンスにつながるかもしれません。
インターネットで誰でも声をあげられる時代だからこそ、自分から積極的に仕事を獲得できるのです。
お金に関する知識を学ぶ
臨床心理士にとって、仕事での経験と同じように「お金」は欠かせないもの。
しかし、臨床心理士は「お金がない」と訴える割には、お金を守るという視点が欠けていることが多いのです。
例えば、非常勤ではなく、個人事業主としての業務提携なら、「青色申告控除」を使って税金を安く済ませられます。また、研修やSVの費用などを「経費」にして、さらに税金を抑えることもできます。
収入が少ないからこそ、いかに支出を抑えるかが、臨床心理士として生き延びていくために必要な視点となります。
まとめ
ここまでの話をまとめてみましょう!

「臨床心理士は仕事がない」と言われる理由には、
・仕事はあるが条件が良くない
・研修やSVにお金がかかる
・心理療法ができる職場が少ない
という3つの理由があります。
そして、臨床心理士が「仕事がない!」と感じたときにできることとしては、
・コツコツとスキルアップして、どんどん良い条件の職場に転職する
・インターネット環境を生かしたオンラインカウンセリングや発信で仕事の幅を広げる
・収入が少ないからこそ、お金に関する知識を学んでお金を守る
といったことが挙げられます。
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臨床心理士を取り巻く状況はすぐには変わらないけれど、
良い仕事を得るためにできることは色々あるってことだね!
クライエントさんの変容を見守る臨床心理士だからこそ
自分自身も柔軟に変容していきたいですね!

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