
臨床心理士になりたいけれど、
私って臨床心理士に向いているのかなぁ・・・
向いていなかったら、時間もお金も無駄になっちゃう
確かに臨床心理士になるまでの道のりは長いですから
「向いていないなら挑戦したくない」と思ってしまいますよね。
今回は、
・臨床心理士に向いている人とは?
・臨床心理士に向いていない時にどうすればいいか
を解説します!

臨床心理士に向いている人とは?
こんな人は臨床心理士に向いているかもしれません

他者に親身に寄り添える人
臨床心理士に相談に来るクライエントさんの悩みは実にさまざま。似たものはあってもどれ1つとして同じ悩みはありません。
臨床心理士には、「今・ここ」にいるクライエントさんに関心を持ち、向き合い続ける姿勢が求められます。決して、自分の価値観や好き嫌いで評価したり、過去のクライエントさんと重ねて決めつけたりしてはいけないのです。
そのため、普段から自然と相手の立場に立ち、親身に寄り添える人は、臨床心理士としての適性があると言えるでしょう。
客観的な視点を持ち続けられる人
先ほどご紹介した「他者に親身に寄り添える人」とは矛盾するように感じられるかもしれませんが、客観的な視点を持ち続けられる人も臨床心理士に向いています。
クライエントさんの悩みは、ぐちゃぐちゃに絡まった毛糸玉のようになっています。焦ったクライエントさんは「何とかして解決しよう」と一生懸命ひっぱっては、かえって事態を悪化させているのです。
そこに「共感しなきゃいけないから!」とクライエントさんと同じように臨床心理士まで焦って悩みの毛糸玉をひっぱっても、解決することは難しいでしょう。
臨床心理士はクライエントさんが「何とかして解決しよう」としてきた気持ちには共感しつつも、客観的な視点も維持して「どこがどう絡まっているのか」をじっくり観察し、「こうすればほどけるのでは」と伝えていくことが求められるのです。
コミュニケーション能力がある人
臨床心理士は目の前にいる人に合わせてコミュニケーションを取ることが求められます。例えば、「あなたはとても悲しい気持ちなんですね」という内容を伝えるときにも
・幼児の場合:「〇〇ちゃん、えーんえーんってなったね」
・中学生の場合:「××さんはとても悲しい気持ちだったのね」
・高齢者の場合:「△△さんはとても悲しい気持ちでいらっしゃったんですね」
とクライエントさんが受け入れやすい言葉を選ぶ必要があります。
また、初めて相談に来られたクライエントさんの多くは緊張しています。その緊張を和らげられるような笑顔やジェスチャーといった非言語的なコミュニケーションが自然と使える人も臨床心理士に向いています。
常に成長したいと感じている人
人の心は時代や社会に合わせて変化していきます。
例えば、「Twitterで『いいね!』が欲しいために、悪いことをする」という心理は、Twitterのない時代にはなかったでしょう。
また、新型コロナウイルスの影響で自粛が強いられることに伴う心の問題にも、新たな研究や取り組みが盛んに行われています。
このような心の変化に対応するために、臨床心理士は学び続けなければなりません。そのため、常に「成長したい」という意欲が持てることも、臨床心理士になる際には大切です。
向いている人でなければ臨床心理士にはなれない?

これまでの適性を見ると、自分には向いていないのかも
諦めるしかないのかな・・・
すぐに諦めなくても大丈夫!
今、向いていなくても臨床心理士にはなれます

大学院の訓練を通じて改善は可能
臨床心理士の受験資格を得るには、日本臨床心理士資格認定協会が指定した大学院を修了する必要があります。
そして、大学院では臨床心理士として必要となる基礎科目を学ぶと共に、数多くの実習を受講して、臨床心理士として適切なふるまいを身につけていきます。
そのため、現時点で「臨床心理士に向いていない」と感じたとしても、大学院での学びを通じて改善することは可能なのです。
私は小学校の頃から遅刻の常習犯でしたが、
大学院で「クライエントさんとの時間を守る大切さ」を叩きこまれ、少なくとも心理臨床の仕事での遅刻は克服しました。
プライベートではまだまだ・・・

言葉の使い方や話し方も
ケースカンファレンスでの教授や先輩のコメントから
「真似しよう」と習得していく部分は大きいです

万能である必要はない
臨床心理士になる人は「クライエントさんの前で完璧な存在でいなきゃいけない」と気負うことがあります。しかし、万能でなくても良いのです。
むしろ、万能であればあるほど、クライエントさんからは「この人は私と違うから」と距離を置かれてしまう恐れもあります。
多くの場合、クライエントさんは「こんなこともできないなんて」「みんなうまくやっているのに」とダメな自分を受け入れられずに苦しんでいます。
そんなクライエントさんの前で、万能ではない自分を受け入れ、それでも否定的にならずに出来ることに取り組んでいく姿や他者にうまく支援を求める姿は、クライエントさんにとって1つの手本となるでしょう。
まとめ
ここまでの話をまとめてみましょう!

臨床心理士に向いている人としては、
・他者に親身に寄り添える人
・客観的な視点を持ち続けられる人
・コミュニケーション能力がある人
・常に成長したいと感じている人
が挙げられます。
しかし、向いている人に当てはまらないからと言って、すぐに臨床心理士を諦める必要はありません。
大学院の訓練を通じて適性を高めることは可能ですし、そもそも万能である必要もありません。
万能ではない自分を受け入れ、出来ることに取り組み、出来ないことは他者の支援を求める姿こそ、クライエントさんの手本となるのです。

臨床心理士の適性がなくても
本当になりたいならチャレンジできるんだね
臨床心理士に最低限守るべきことはあっても
「正しい臨床心理士」はありません。
自分らしい臨床心理士目指してがんばってくださいね

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