臨床心理士になりたいって思う理由にはいろいろあるよね!
佐藤さんはいつ頃、臨床心理士になりたいなと自覚したの?
私が臨床心理士になりたいなぁと思ったのは中学生の頃!
この記事では、
・私が臨床心理士になりたいと思った理由
・実際に臨床心理士になってみて感じていること
をご紹介します。
「臨床心理士ってこんな理由でなってもいいのかな?」と迷っている人、
ぜひ読んでみてください。
案外、小さなことが夢につながっていることに気づくはずです
臨床心理士になりたいと思った理由
ここでは臨床心理士になるまでの人生をお話ししていきます
臨床心理士の前は「小学校の先生」になりたかった
私はもともと「小学校の先生になりたいなぁ」と思っていました。小学2年生の頃の担任のK先生に憧れていたからです。
今は衛生上許されないかもしれませんが、まだ色々なことが緩かった時代、K先生は給食の残ったご飯をおにぎりにしてくれました。私はそのおにぎりが好きでたくさん食べました。クラスの子たちもいっぱい食べていたように思います。
また、プリントやテストの花丸を「かたつむり」や「ちょうちょ」の形にアレンジしてくださるのも、とても楽しく、勉強に精が出たものです。
何よりも心に残っているのは、音楽で「まきばのこうし」という歌のテストをしたときのこと。歌い終わった後、K先生は「佐藤さんは歌が上手ね」と一言褒めてくれました。もともと歌は嫌いではなかったけれど、褒められたこともなかったので、この言葉はずいぶん嬉しく、今に至るまで「歌うこと」は大好きなことになっています。
長い年月が経っても、なんだかリアルに思い出せるくらい印象強かったK先生のことは、当時ももちろん憧れで、私は「K先生みたいな小学校の先生になりたい」と思うようになりました。
息苦しい中学校生活
私の通っていた公立中学は、複数の小学校から生徒が集まる学校でした。
もともと、新しい環境になじむのは苦手な私は、小学校の高学年頃からクラス替えも苦痛に感じていました。そこへ全く見知らぬ子たちと急に放り込まれるのですから、なかばパニック。「どんなキャラクターでいればいいのか」に混乱しているうちに、周りの人たちはどんどん友達グループを作っていきます。
もちろん、小学校からの友達もいますから孤立したワケでもなく、いじめにあったワケでもありません。それでも、ずっと「息苦しい」と感じていました。
そこから逃げ出す方法は「読書」と「小説を書くこと」の2つ。学校の図書館と地域の図書館からはMAXに本を借り、毎日読みふけっていました。また、読んだ本の内容を自分なりにアレンジして、新しいお話を作ってもいました。
スクールカウンセラーとの出会い
そんなある日、たまたま友人の1人が「昼休みに相談室が開いてるらしいから見に行こう」と提案してきました。私は「なんだそれ?」と思いつつ、ついていくと、そこは保健室を一回り小さくしたような部屋。
どうやら上履きを脱ぐようで、たくさんの上履きがその部屋の前にぐちゃぐちゃと並んでいます。
私がひょっこりと中をのぞくと、40代くらいの女性。これがスクールカウンセラーさんでした。室内には漫画・お絵描きセット・箱庭。箱庭にはなぜかウルトラマンがさかさまに刺さっていました。
どうも「誰でも来ていい時間」らしく、みんな思い思いに過ごしています。私も自由帳と鉛筆を手に入れ、机を陣取り、せっせと絵を描いていました。
私はついぞ、スクールカウンセラーと個別に相談はしませんでしたが、それからも何度か足を運びました。その度、せっせと絵を描いたり、本を読んだり、適当に過ごしていたと思います。
それをスクールカウンセラーさんがどう見ていたのか、今になると少し気になりますが、その当時は解釈めいたことを言われた覚えはありません。というより、ちゃんと話した記憶もないのです。ただ、当時の私は何にも縛られない自由を欲していたし、スクールカウンセラーさんはちゃんとそれを提供してくださったと思います。
「この窮屈な中学校にも『自由な場所』がある」という不思議は、私の心に残り続け、「こういう仕事もいいのかも」と思うようになりました。
高校の先生から心理学の存在を知る
中学の時には「こういう仕事もいいのかも」と思いつつ、一体何をどうすればその仕事に就けるのかは全く分かりませんでした。
高校に進学して、進路希望を調査された際に高1の担任の先生に「どうもこういう仕事がしたいんだけども」と相談したところ、「それは心理学ではないか?この近くで心理学が強い大学なら〇〇大学とかがあるけど」と返答を受けました。
「そうなのか!」と思って、一生懸命に心理学の本を読みましたが、当時は「臨床心理学」と「認知心理学」と「社会心理学」の違いがあんまりよく分かっておらず、「これのような気もするし、違うような気もするし」と困惑していました。
それでも少しずつ、「日本には臨床心理士という仕事があり、それが最もスクールカウンセラーになりやすい道である」ということが分かってきて、指定大学院のある大学への進学を決めたのでした。
「臨床心理士になりたい」が叶ってから
臨床心理士になれたら万々歳!
・・・というわけではありません
全ての理想が実現したワケじゃない
そこから大学・大学院を経て、臨床心理士資格も取得し、無事に臨床心理士、そして当初からの目標だったスクールカウンセラーになれました。
しかし、振り返ってみると、私がなりたかったものは「臨床心理士」や「スクールカウンセラー」という職業ではなく、K先生や中学時代のスクールカウンセラーさんのように、「一生懸命に何かをしてくれるのではなく、さりげなく見守り、日常を支え続けてくれる人」になりたかったのかな、と思います。
現時点では、「一生懸命何かをしたい」という欲求が強いですし、そうしない自分に無力を感じてしまうこともあります。まだまだ未熟です。
それでも臨床心理士になって良かった
「臨床心理士になりたい」という自分の夢を自分が実現できたことは、1つの達成感になっています。
また、こんなにも深く人と向き合える仕事はなかなかないように感じます。私はふとした時にこれまで出会ってきた人を思い出したり、隣にいるように感じたりして、とても温かな気持ちになります。実際に何度も会う以上につながりを感じることもあります。私の片思いかもしれませんが。
それに、もともとの私は自分の感情や感覚に無自覚でした。先生に怒られるとなぜか笑ってしまって「なんで笑ってるの!」と怒られるけど自分でも理由がわからない、整体に行って「凝ってるね~痛かったでしょう~」と言われても、「痛くはないんだけどなぁ」と思う・・・など、あんまり自分で自分をコントロールできていなかったのです。
臨床心理学を学び、自分の感情や感覚に目を向けるのは痛く、しんどいことでしたし、ひと山超えるのに7年ほどかかりましたが、今はずいぶん生きやすくなったなぁと感じています。
ずいぶんエゴなようですが、自分自身がちゃんと生きていくために「やっぱり臨床心理士になって良かったなぁ」と思うのです。
まとめ
ここまでの話をまとめてみましょう!
■「臨床心理士になりたい」と思った理由
小学2年生の時の担任に憧れて「小学校の先生になりたい」と決意
→中学の息苦しい生活に苦痛を感じる
→友達の誘いでスクールカウンセラーのいる相談室へ
→相談室の自由さに魅力を感じて「スクールカウンセラーになりたい」と思う
→高1の担任に「スクールカウンセラーになるなら心理学だ」と教えられる
→臨床心理士の指定大学院がある大学へ進学
■「臨床心理士になりたい」が叶ってから
理想通りの人になれたワケではないけれど、自分自身がちゃんと生きるために「臨床心理士になって良かったなぁ」としみじみ感じている
臨床心理士は「仕事」じゃなく
「生き方」なのかな?と感じています
臨床心理士になりたい皆様の夢がかないますように!
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