ここしばらく真面目なブログを書き続けてしまったので、自分の心の安定のために気楽な文章を書きたいと思います。
その名も「臨床心理士あるある」
「臨床心理士あるある」として大学院や資格試験、仕事中などのことを全部書こうとしたら、大学院時代のことだけでずいぶんな量となってしまったので、とりあえず大学院生活編と銘打ってみました。
追加してほしい「あるある」があればコメントか佐藤の脳内に直接語り掛けてください。
今後の課題とさせていただきます。
これから臨床心理士指定大学院を目指す方には参考になるかも!?
では、行ってみましょう!!!
臨床心理士あるある【大学院生活編】
先生よりも理不尽に厳しい先輩がいる
大学院の先生からはクライエントさんと真摯に向き合う姿勢を学びましたし、それが出来ていない時にはもちろん厳しい言葉もありました。ただ、基本的には優しく導いてくださったと思っています。
しかし、なぜか分からないけど先生以上に、何につけても
治療者としての自覚が足りない!
と、やたら厳しい先輩が1人いました。
同期がケースカンファ資料の誤字で治療者としての自覚を問われていた時はなかなかに理不尽すぎて同情しました。
もちろん「誤字や言い間違いは無意識の表れだよ~」みたいな話は、学部生時代の言語連想の「実習」やら、M1のフロイトの著作を読む「文献講読」やらを通じて知っています。
なので、「治療者としての油断が誤字に現れている!!!」と言われてしまったら、「そうかもしれないです」としか言えないんだけど、それにしても理不尽でした。
でも、やっぱり初心の頃は自分が学んだものを大切にしなきゃと思うあまり、他の人にもそれを強いてしまう…というのはM2から臨床心理士の更新1回目くらいまで私自身にもあったなぁと思います。
「守・破・離」の「守」のエネルギーがうまくコントロールできていない段階だったかな…と。今やっとほどほどの「守」ができつつある気がします。「破」はまだ!
知識を得ると使いたくなるもの。
みんなも無自覚に知識を使った暴力をふるわないように気を付けようね。
イニシャルケース楽しみにしてたのに直前になって後悔しがち
M1の前期はおおよそロールプレイなど、実際のカウンセリングをするまでの準備に使われる訳ですが、M1後期になるといよいよ附属相談室で実際のクライエントさんとのケース(カウンセリング)を持つことになります。この初めてのケースを「イニシャルケース」と呼びます。
それがしたくて入学してきているので、イニシャルケースが決まると「いよいよか!」とワクワクドキドキ。「どんな人かな」「どんな悩みかな」「こんな悩みならこう答えようか」「どんな服でケースに行こうかな」「どうあいさつしようかな」などなど…。初デートの予定を前にしたときのように、思考がぐるぐる巡ります。
ところがどっこい。
直前になると「自分にはまだ知識も技術もない。それなのにケース持ってしまっていいんだろうか…もう少し後にすれば良かった…」とくよくよ悩み始めます。
かと言って、ケースを持つのが遅くなると「みんなはケースを持ち始めているのに自分はまだケースがない。このままM2になっちゃったらどうしよう」と焦り始めるんですけどね。
結局、完璧な状態でケースに臨める日なんて来ないのだ…
なぜならケースは生き物だからさ…
ケースの服どうすればいいか迷いがち
さてケースを持つことが決まったら、服をどうするかという問題が浮上します。
基本的にはオフィスカジュアルの人が多い印象。ケースがない日も着回せますしね。
プレイセラピーをする人は普段着とは別に動きやすく汚れてもいい服を用意してきてました。特に砂場があるプレイルームの場合、泥んこになることもありますからね。
「精神分析をオリエンテーションとしてカッチリやっていくぞ」と決めている男性はスーツでしたね。女性はスーツの人もいたけど、オフィスカジュアルの人もいました。大学院生でスーツが似合う女性になるのはなかなか難しい気がします。
リクルートスーツじゃないスーツを用意するお金もないぜ!
初めてのインテークカンファ・ケースカンファで内臓出そうなくらい緊張する
インテークカンファレンス
イニシャルケースの1回目を終えると、逐語録を書きます。そしてそれを資料にまとめて「インテーク(初回面接)カンファレンス」という先生や学生が集う会に出します。
大学院によっては「インテークは有資格の相談員や教員が行う」というところもあるようですが、私の通っていたところはインテークから学生が受け持っていました。
逐語から個人情報はきっちり消して、大事な部分をまとめて、見立てを書いて、「こうじゃない」と消して書き直して…それだけで何時間もかかります。
同期の中にはほぼ徹夜で取り組んでいる人もいました。
そしてインテークカンファでは「こういう主訴の人で、こういう面接をして、私はこういう見立てを持ってこれからケースに取り組んでいこうと考えています」と報告します。
先生から「この人はこういう傾向があるんじゃない」「ここはもっと聞いた方がいいよ」など今後の方針を指導してもらい、インテークカンファは終了。
インテークカンファは1ケース5分、長くても10分くらいですが、それでもドキドキです。
ケースカンファレンス
そして何度か面接回数を重ねた後に発生するのがケースカンファです。
これは1人につき1~2時間くらいたっぷり時間があるので泣・き・そ・う。
ケースカンファまでにイニシャルケースが中断しているとなおさら泣・き・そ・う。
実際にはそこまで強く指摘される訳ではなくても、自分でも「できていない」「足りていない」と思っている弱いところに的確に指摘が来るので、先輩や先生方からの一言一言がぐさぐさと深く突き刺さります。
そこに先ほどの「理不尽に厳しい先輩」がとどめを刺してくるわけです。ぐはっ
みんなからぐさぐさ刺された後は、同期で「いや~やられたねぇ~」と飲み会をして発散して、家に帰ってしょんぼりして、SVでしょんぼりして…何度もしょんぼりしながら、立ち直るために本を読み漁って、「あなたのクライエントのことは本には書いていないでしょ」と怒られてしょんぼりして…そんな感じで基本的にはしょんぼりしながら、ケースに向かっていく訳です。
たくさんしょんぼりしてはいたものの、先生・先輩・同期に支えられていたので「孤独」とは違ったなぁ…と思います。私は割と甘やかされていたようにも思いますし…。
支えがなかったらかなりキツかっただろうな。
ケースカンファレンスの様子を感じてみたい方は、こちらの本がおすすめ。
主に精神分析やユング派をオリエンテーションとする大学院のケースカンファなので、他の心理療法をメインとする大学院では雰囲気が違うかもしれませんが…
「カウンセリングってこんななんだ」「こんなことを考えながら臨床心理士はカウンセリングしているんだなぁ」とのぞき見する気持ちでどうぞ。
自分も参加するつもりでコメントを考えながら読むともっと勉強になります。
日本心理臨床学会に出がち
大学院生になって、割と多くのM1さんが「日本心理臨床学会(通称:日心臨)」に所属して、張り切って参加するのではないでしょうか。
私も同期と一緒に張り切って参加しました。
そして、憧れの先生を見て「うわ~〇〇先生だ~」と感動して、同期と一緒に「〇〇先生見た!」「こっちには××先生いたで!」と報告し合ってました。
M1の頃は正直「自分のオリエンテーション」とか「研究の方向性」とか全部あやふやだったので、何を見ていいか分からず、とにかく聞ける発表は全部聞いて、ワークショップにも出て…という感じだったなぁ…と思います。
日心臨に行くときに「こんなに大勢で何するの?」とおばあちゃんに声を掛けられ、「学会です」と答えたら「宗教?!」と言われたのをすごく覚えています。
…ある意味間違ってはいないのかも???
修論が終わらなすぎて絶望しがち
大学院生活はケースだけしていればよい訳ではありません。
修士論文なるものが控えており、M2からはケース・バイト・就活以外の空いた時間はほとんど修論に費やすことになります。
卒論よりはまともに書ける感じはあるものの、卒論の頃より自分の未熟さに気づきやすくもなっているので、「うわぁぁぁぁ、もうダメだぁぁぁ、おしまいだぁぁぁ」となる機会も多かったですね。
私より明らかにデキる子が「もうダメだ~」と言い始めた時は「いや、〇〇ちゃんはダメじゃないでしょ!」と思っていました。
なお、私は質問紙調査で収集したデータをエクセルに入力してUSBに記録したら、なぜかUSBのデータが盛大に破損して消滅し、丸1日かけて再度入力するはめになりました。
修論本文が消えたわけじゃなくて良かったけど、バックアップはみんな取ろうね…。
私の大学院は1月上旬提出だったので、みんなクリスマスも正月も捨てていました。助教さんとか博士の先輩方が色々と差し入れしてくれて、人の優しさを感じる時間でもありました。
M2みんなで夜中まで研究室に残って、すきやで牛丼食べるお正月。エモい。
最後に:本当にこれは臨床心理士指定大学院あるあるなのか?
ここまで書いてみて「これは本当に臨床心理士指定大学院あるあるなのか。それとも私の通っていた大学院だけのあるあるなのではないか…」と困惑し始めましたが、まぁきっとあるあるだよ…と思ってネットの海に流しておきます。
大学院のカリキュラムなどについてはこちらのブログに詳しく書いています。
またいつか【資格試験編】【仕事編】【心理クラスタ編】もかけたらいいな…。
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