カウンセラーが自分のSNSや個人情報を管理しないと仕事にならない理由【対策も解説】

働き方

質問箱にこんな質問…というよりメッセージをいただきました。

短い一文の中に、ものすごく複雑な感情が詰まっていそうな感じです…。

佐藤セイ
佐藤セイ

もし、私が面接中にこの台詞言われたら、固まりそう…

そのカウンセラーさんがSNSにどんなことを書いていたかにもよりますが、「見てはいけないものを見てしまった…」という動揺を感じます。あまり関係が揺らがない内容であることを願いたい…。

今回はカウンセラーがSNSをはじめ、自分自身の個人情報をちゃんと管理しないといけない理由を解説します。

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カウンセラーがSNSや個人情報を管理しないといけない理由

カウンセラーが「自分」を出すとクライエントさんが話しにくいから

カウンセラーはクライエントさんが話しやすい場を作るよう努めなければなりません。

そのために「傾聴」などの技術を習得して、クライエントさんの話したい内容やペースを妨げないようにします。また、邪魔の入らない場所や時間を確保します。

さらに、カウンセラーは極力「自分」を出しません

例えば、クライエントさんが阪神ファンで、カウンセラーが巨人ファンだとしましょう。

クライエントさんが「阪神は強い。巨人なんて本当ダメ」と一生懸命に話していたとして、カウンセラーは内心「は?巨人の方が強いし」と思っていても、それを口には出しません。そんなことを言ったらクライエントさんは「あ…ごめんなさい…」と話しにくくなるからです。

権力を持つカウンセラーの意見は強すぎる

友達同士なら別に「阪神の方が強い」「は?巨人の方が強いから」とか言い合っていても全然構わない訳ですが、「クライエントさんが自分の気持ちを話す」という仕事でお金を貰っているのに、カウンセラーが「自分」を出していたら職務怠慢です。

クライエントさんにお金を払わせているのに、カウンセラーが気持ち吐き出してスッキリしているのはおかしいですよね。

そして、カウンセラーは「専門家」なので、相手に「権力」を感じさせてしまっており、そこで「自分」を出すと、クライエントさんは「先生のおっしゃる通り」と引かざるを得なくなります。

「いや、私は対等な立場で…」とカウンセラーがどれだけ言ったって、やっぱり関係は対等ではありません。

権力は「状況の定義権」を持つカウンセラーが握っている

私は、信田さよ子先生のご著書を通じて、フランスの社会学者ミッシェル・フーコーによる「権力とは状況の定義権である」という言葉を知りました。

これは、今置かれている状況を定義できる人が「権力」を持っているということ。

↓なお、この辺りの記事にも「状況の定義権」のお話がチラチラと出てきます。

家族の暴力への援助 ~その歴史から対応へ~(信田さよ子:原宿カウンセリングセンター所長) #つながれない社会のなかでこころのつながりを|「こころ」のための専門メディア 金子書房
多くの国で外出しないで家にいることが一番の方策と考えられた今回、世界的な問題として浮上してきたのが、家庭内におけるDV(ドメスティックス・バイオレンス)でした。日本でその問題に早くから携わってきた信田さよ子先生に、世界での問題化に関連しての日本の対応、そして、これからの生活において忘れてはならない視点について語ってい...
社会的評価が高い人がDVをする心理 | 現在のDV問題について、カウンセラーの信田さよ子さんに伺いました | 幡野広志 | cakes(ケイクス)
長年DV問題に取り組んでいる信田さよ子さんをお招きし、幡野広志さんと一緒に編集部がDVについて学ぶ連載の2回目です。死に至るようなDV被害者の9割以上が女性というこの問題において、どのような男性がDVをしてしまうのか、その心理とはどういうものなのか、信田さんに詳しくお話を伺いました。(写真:幡野広志 聞き手:編集部 大...

カウンセリングでは明らかにカウンセラーの側に「状況の定義権」があります

例えば、「50分で面接を終わる」というのは、カウンセラーが勝手に定義したことですが、クライエントさんは逆らうことができません。

クライエントさんが「今日は面接室じゃなくて、近くのカフェで面接したいなぁ」と思っても、カウンセラーが「いつも同じ場所で面接をすることが大事なんです」と言えば、クライエントさんはよくわからなくても「あぁ、そういうものなのか」と納得せざるを得ないでしょう。

このように、カウンセラーはどうしたって「権力」を持っているので、その権力ができるだけクライエントに不要な影響を及ぼさないよう気をつける必要があります。

SNSはカウンセラーが見せるつもりでない「自分」を見せてしまう

ところが、どれだけカウンセリングでは「自分」を出さないよう気を付けていても、SNSで「自分」を見られてしまうと、全てが台無しです。

カウンセリングの中であれば、うっかり「自分」を出してしまうにせよ、目の前にいるクライエントさんを意識しているから、まだマシかもしれません。

「失敗した」と思ったときに話し合ってリカバリーできる可能性も残っているし。

しかし、SNSはクライエントさんが見ることを想定してはいません。

だから、『仕事だるかったー』とか『今日は付き合って3周年☆』とか書いちゃったりしている訳です。

それを見たクライエントさんがどう思うかは人それぞれです。

でも、『仕事だるかったー』を見たら「自分との面接がしんどかったのかな…」と不安になるかもしれないし、『今日は付き合って3周年☆』を見たら「私はこんなにつらいのに、先生は楽しんでる…結局、そういう人なんだ」と思うかもしれない。

そして、クライエントさんは次の面接に来なくなるかもしれないし、来てもカウンセラーの声掛けに微妙な反応をするかもしれない。

カウンセラーが「どうしたんだろう?」と思っても、クライエントさんはわざわざ「実は先生のSNSを見たんですよ」とは言えないまま、ぎくしゃくとした時間が流れるかもしれない。

面接に変なノイズが入って、めちゃくちゃややこしくなるんですよ。

佐藤セイ
佐藤セイ

私のイメージでは、大好きなお父さんが不倫しているのを見てしまった子供の気持ち…みたいな感じかも。

信頼していればいるほどつらいし、家族関係もめちゃくちゃややこしくなる。

だから、SNSで余計な発信をしてはいけないし、発信したいんなら絶対にクライエントさんにはバレないようなアカウントでやった方がいいと思うのです。

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カウンセラーのSNSや個人情報はどうやって管理すべき?

カウンセラーの名前はとりあえずググられる

名前を名乗ったらとりあえずググられていると思った方がいいです。

なぜなら、私も学生相談室を利用したときとか、カウンセラーの名前をググって「こんな論文書いていたんだなぁ」「〇〇学会で発表してはるわ~」と見ていたから。

なので、ググられても大丈夫なように

・そもそも本名でSNSをしない

鍵アカウントにする

・プロフィール写真に注意(恋人とのツーショットとか我が子の写真とか、プライベートが垣間見えるものはおすすめできない

鍵アカにしても会話に注意(鍵アカでないアカウントとの会話があると、自分の返答は見えなくてもどんな会話していたか推測できてしまう)

など、基本的な対策は欠かさないようにしましょう。

佐藤セイ
佐藤セイ

芸能人の個人情報を特定する人たちは、

・瞳に映った風景から自宅の特定

・出身校の同級生になりすまして近づき、連絡先を入手

などするそうです(AbemaTVより)。

私たちも自分と他者の境界が薄いクライエントさんと出会うこともありますから、こういう危うい事態も起こりえる…と想定しておいた方が安心だと思います。

個人を特定できる情報を出さない

クライエントさんとのやり取りを出さないのはもちろんですが、自分自身の働いている場所や住んでいる場所などが特定できるような情報は、匿名のアカウントであっても出さない方が良いでしょう。

自分では「バレない」と思っていても、見る人が見ればバレます。

バレてから「身バレしたのでアカウント変えます」とか言っても、現実での取り返しはつきません。

佐藤セイ
佐藤セイ

自分の秘密も守れないのに、「あなたの秘密は守ります」なんて信用できないのよ…

まとめ

SNSは便利です。

私だって、Twitterをやっているからこそ、たくさんの人と繋がれるし、有益な情報も得られる。それはありがたいことです。

だけど、カウンセリングで「カウンセラー」をちゃんとやるためには、SNSで変な色気を出しちゃダメです。面接に変なノイズが入ったら、信頼関係なんて一瞬で壊れます。

そして、魚拓を残されたら終わり。インターネットタトゥーは恐ろしいのです。

カウンセラーとして名前や顔を出してSNSをやるんなら、マーケティングと割り切って「カウンセラーとしての私」だけを出しましょう。

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