「アダルトチルドレン」や「毒親」などなど、親子関係に何らかの歪みがあって、苦しい思いをしている人は少なくありません。
私自身、そういった毒親を持つ1人です。
逃れられない親との関わり、そして自分の意思で出会った大切な人との関わりから考えた「毒親から自分を守るために出来ること」をお話ししたいと思います。
毒親から自分を守るためにできること
自分を大切にしてくれる人を見つける
まずは自分を大切に扱ってくれる人を見つけましょう。誰でも構いません。友人でも、先生でも、恋人でも、職場の人でも。
利害なく、ただ一緒に居るだけで「なんとなくOKだな~」と思える人が良いです。
あなたを「~したらOK」と条件付きで受け入れるのではなく、何をしなくても一緒にいてくれるような人を探してみてください。
相手の居心地よさのために自分を大切にする
毒親育ちさんは「自分を大切にする」という概念が持ちにくいと思います。むしろ「自分を犠牲にしてでも、相手を大切にしよう」という気持ちが強くあります。
だから、とりあえず「相手が居心地よく過ごすために、自分をイイ感じにしよう」と思ってみてください。
私は親のために自分を犠牲にすると、どんどん気持ちが沈んで何もかもなげやりになってしまい、夫に心配をかけたり、夫に不安な気持ちをぶつけたりしてしまい、その結果、「嫌われるのでは」とさらに不安になるという悪循環が始まります。
なので、そういう事態を防ぐために、自己犠牲をやめ、できるだけ健康的に生きようと思っています。
「平気なふり」をするのではない!
この時、大切なのは「相手のために自分を取り繕う」のではなく、「本当に大切にする」ということ。
身体や心が傷ついているのに、笑顔を見せて「平気なふり」をするのではありません。しっかりと身体や心を休めて、「本当に平気」になるまでケアをするということです。
「平気なふり」は長く続きません。続けている内に「私はこんなに我慢しているのに!」「私はこんなに大切にしているんだから、同じように大切にしてよ!」と怒りや悲しみがわいてきます。
そして、抑えられない感情が暴走して、言葉や行動で相手と自分を傷つけてしまうのです。
相手にしたら「勝手に我慢して、勝手にキレられても…」と思いますし、その結果、関係が破綻してしまうこともあります。
毒親に関する本も味方になってくれる
「身近に味方になってくれる人がいない」「毒親のことなんて誰にも相談できない」という方は、毒親関連の書籍を読むのがおすすめ。
何度も読んでいるうちに「悩んでいるのは私だけじゃない」と感じることができますし、自分の洗脳にも気づけます。
おすすめ書籍
■母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き(信田さよ子著)
アダルトチルドレン研究の第一人者である信田さよ子先生の本。
母に人生を乗っ取られそうな娘がいかに自分の人生を取り戻すかを具体的に学ぶことができます。
■母がしんどい(田房永子著)
シンプルで可愛らしい絵柄の4コマ。なのに1つ1つの話が「うっ、こんなこと自分にもあったなぁ」と心に重く響きます。
私は母親が勝手に旅行を予約し、勝手にお金を払い、「この旅行〇〇万円もしたんだからね~」というエピソードに心当たりがありすぎました。
あと、ちょっとエッチな絵(私の場合、女の子の水着姿)を描いて、「これ誰が描いたの」と質問攻めにされる恥ずかしく惨めな気持ち…分かる(泣)こっちが恥ずかしいと思うことこそ、大きな声で言うんですよね…。
■毒親に育てられました 母から逃げて自分を取り戻すまで(つつみ著)
インスタやブログで掲載された漫画の一部をまとめた本。母親からつつみさんへの暴言・暴力だけでなく、そんな母親を作り上げたのであろう自己中心的な祖父が無責任に「母親がああなったのはお前がはっきり言わないから」など、つつみさんを責めるシーンは本当に腹が立ちます。
1巻は幼少期から中学生まで、2巻は高校生なので、3巻では脱出が描かれるのかな?と期待しております。
■毒親絶縁日記(北瀬ユズ著)
両親を助けるために共依存に陥ったユズさんが、彼氏(のちの夫)に助けられ、自分の幸せを手に入れるまでの物語。
摂食障害などで体調を崩しても、両親からのお金の無心が繰り返されるところは、私がうつになったときでも容赦なく「ちょっとお金送れへん?」と無心してきた母親を思い起こさせます。
どんなに酷い親でも「助けたい」と思ってしまう気持ちが分かり過ぎると共に「それじゃダメなんだよなぁ」と身につまされます。
毒親と同じ人生を歩まないために
毒親は自分で自分をケアできない
毒親はなぜ私たちを苦しめるのでしょうか。
それは、彼/彼女が「自分で自分をケアできないから」です。
自分の気持ちを自分で整えられないから、子どもにぶつける。
自分に自信がないから、子どもを貶める。
自分の心や身体を大切に出来ないから、酒やギャンブルに依存して、子どもに迷惑をかける。
ある意味では、子ども(そして、お酒やギャンブルなど)に甘えることでしか、自分を保てない可哀そうな人たちです。
でも、もし、あなたが「自分は大切な存在じゃないから」と、自分で自分のケアをすることを放棄してしまったら、いつか大切な人に同じことをしてしまうかもしれません。
だからこそ、誰かのために自分を大切にすることを心掛けてほしいのです。
自分の心と身体は自分の財産
毒親は私たちの人生で主人公のような顔でふるまっています。
でも、本当は彼/彼女は脇役です。自分の人生の主人公は自分です。どれだけ目立たなくても、悲劇でも、それは変わりません。
生まれてから今日まで、毒親に振り回されて、疲れてしまった人もいるでしょう。
だから「せめて自分の手で心と身体を終わらせたい」と思う気持ちを持つ人もいるでしょう。
「幸せなんて自分には訪れない」
「この先に明るい光なんてない」
そう思う人もきっといると思います。
私もそう思っていたし、今もやっぱり思うことがあります。どうあがいても法的に親と絶縁できないことに絶望することもあります。
私自身、今もなお毒親と戦っている最中なので、正解は分かりません。
ただ、私の個人的な見解で言えば、毒親は私が死んだら、「子どもに先立たれた可哀そうな親」という顔で自分の心を満たすと思います。
ほんの数ミリも「自分が悪かった」と反省することはないと思います。そんな事実に親の心は耐えられないでしょうから。弱いからこそ、ずっと私を罵っていないといけないのだろうと思うので。
それが悔しいので、とにかく今のところは生きてやろうと思うのです。
そして、自分を大切に思ってくれている人たちにも、少しでも何かを返せたらと思ってもいます。
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